朝日新聞社とエイベックスがタッグを組んだ、“認知症について学んで、備える”共同プロジェクトがスタート!

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【インタビュー】SAM・ETSU・CHIHARUが語る、リバイバルダンスへの思い

リバイバルダンスには、どんな思いが込められているのか。考案したTRFのSAMさん(58)、ETSUさん(55)、CHIHARUさん(52)の3人に聞いた。


――このダンスに取り組んだきっかけは何ですか?

SAM 実は母が3年前に病気になって。母のような高齢者の病気に事前に備えることができないかと思うようになりました。それで調べてみたら、認知症やその予備群の人が、高齢期にはたくさんいることがわかり、そうしたみなさんにダンスの力で貢献できないかと考えたのが始まりです。

CHIHARU 高齢者のワークショップに参加させていただくと、みなさんすごく楽しそう。私たちのダンスがお役に立てるなんてと驚きでした。「元気になった」とか「冷え症が治った」なんて、うれしい報告もいただいて(笑)。

SAM 人工透析していた人で10メートルくらいしか歩けなかった人が、ダンスを続けて1年後には約10キロも歩けるようになったのですよ。ダンスを通じて、からだを動かすことは大切なんだと改めて気づかされました。

ETSU 私が触れ合った人も本当に楽しそうで、逆に元気をもらえました。それに認知症は、自分にも身近な話かなって思います。

SAM 自分ごととして考えていかないとね。


――ダンスの特徴を教えてください。

SAM 医師や理学療法士の協力のもと、振り付けは上半身の動きと下半身のステップを組み合わせて、運動効果を一番に考えています。音楽にもこだわり、懐かしい歌謡曲のメドレーで気持ちを若返らせながら、飽きずに踊れます。前半は勢いよく中盤はスローに、後半になって疲れてきたところでもう一押し。そんな流れです。


――どんな人に踊ってほしいですか?

SAM 「運動編」と「脳活性編」という二つのプログラムがあります。運動編は認知症など高齢期の病気に備えるためのものですが、幅広い人に踊ってほしいですね。普段、運動をしない人はこれで十分。続けることが大事なので、できるだけ早いタイミングで習慣化してほしいですね。

「脳活性編」は、認知機能の一部に低下が見られるようなMCI(軽度認知症障害)の人など向けにつくりました。曲もちょっとスローなテンポを入れて、コール&レスポンスのような掛け合いがあります。

どちらも、座って踊れるバージョンをつくりました。長時間立っているのが難しい場合や、車イスの人でも大丈夫です。


――継続させるコツはありますか?

SAM ダンスの練習は鏡の前で踊るイメージがあると思いますが、それをやらないほうがいい。なぜなら、うまく踊れない自分の姿を見て落ち込む場合があるようなのです。うまく踊ろうなんて考えなくていい。無理もしなくていい。自分らしく、楽しく踊ってほしいですね。


――最後にみなさんにメッセージをください。


ETSU とりあえず、始めてほしいです!



SAM ダンスは最強です!



CHIHARU とにかく楽しんでほしい!


(聞き手・坂田一裕 撮影・山本和生)